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(6)下請取引あっせん制度について
(財)全国下請中小企業振興協会(所在地=東京・本郷)は、各都道府県単位に設立されている同種の機関(下請振興協会又は振興公社等)をオンラインネットワークで結んで「下請取引のあっせん」を行っている。
「仕事を受注したい企業」と「仕事を発注したい企業」とが予めそれぞれの企業情報を各都道府県の機関に登録しておき、発注側の企業から発注したい案件の申し込みがあった段階で、個別案件ごとに発注企業の提示した発注条件に見合う企業が紹介されるというしくみになっている。
基本的には各都道府県単位で運用されているものであるが、企業の経営活動が広域化していることなどから平成4年に各都道府県の下請振興公社等をオンラインでネットした全国規模の取引あっせん制度に拡充された。
全国下請中小企業振興協会は、このほか、「下請中小企業の海外進出・海外取引に必要は情報提供」「外国企業との契約に関する情報提供」「海外の下請関係情報の収集・提供」等の国際下請取引情報のあっせん事業をはじめ下請中小企業に対する支援事業を実施している。
こうした機関を有効に活用して得意先を開拓できる可能性もあり、今回アンケートはその活用実態を把握するために行ったものである。
?「下請取引あっせん制度」を知っているか
このあっせん制度は製造業である下請中小企業を対象とした仕事のあっせん・紹介制度であることから、構外・兼業企業のみを対象にアンケートしたものである。
回答314社のうちあっせんシステムに「登録している」企業は32社(10%)にすぎない。「知っているが登録していない」が137社(44%)ある一方、120社(38%)はこの制度があること自体を「知らなかった」と答えている。
?制度活用の有無
取引あっせん制度に登録していると回答した32社について、取引成立実績の有無をみると、「あっせんを受けて仕事を受注したことがある」企業が7社、「受注実績はないが仕事の紹介を受けたことはある」企業が12社などとなっている。単純に過去の取引成立件数(取引成立後の継続的な取引については成立件数としでカウントされない)からみれば決して業界企業の利用率は高くないが、将来的にこの制度に対する企業の理解が浸透していけばより有効な制度となりうる可能性がある。

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(7)情報の収集・活用について
日造協の会員及び会員所属企業は、事業活動を行う上で必要とされる外部情報を、新聞、業界紙等各種の媒体を通じて入手していると推測されるが、産業界ではここ数年の問に半導体技術やソフトウエア等コンピューター関連技術のめざましい発展によって急速に情報化が進んでいることは周知のとおりである。
造船業界にあっては造船元請各社が関連舶用機器メーカーと結んで、中・長期的に魅力ある造船産業の実現を目指して、CIM、CALS等情報を高度に活用した効率的で生産性の高い生産システムの構築へ動きはじめており、こうした元請サイドの情報化の進展、生産体制の革新に伴って協力企業に対する元請の二ーズもより高い技術ポテンシャルが要求されるなど質的に高度化していくことが予想される。当業界としてはこうした元請や関連業界のみならず社会二ーズの変化に対応していく上からも組織的な情報化対応への取組みの必要性が考えられる。
これらを踏まえて、業界の情報化促進事業の一環として、会員や企業を対象とした情報提供と会員・企業を結んで経営資源を相互で効率的に活用するための情報ネットワーク・データバンク構想等、会員や企業の情報化、経営の効率

 

 

 

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